2019年9月21日土曜日

ノズルの考察

足踏み式ハンダ吸い取り器の吸い取り口を収縮チューブからテフロンチューブに変更しました。

耐久性は向上しましたが、吸い込み性能は柔軟性のある収縮チューブの方が良いように思います。
特に部品を外したハンダに埋まっているスルーホールの開通では、リード線などの物理的な目標がないためにスルーホールの穴にノズルを合わせるのに苦労します。
これを解決する方法を試行します。

コテを外さなくてもノズルが密着しやすいようにニッパーで①と②の二箇所に切れ込みを入れ、コテが嵌る口を設けました。
横から見ると③の様に斜めの切れ込みになります。

この様にコテ先を、スルーホールに当てて・・・

その上から、吸い取り口の切れ込みをコテ先に挟み込み、ハンダを吸い取ります。
こうすると、吸い取り口の位置が安定しますし、吸い込む圧力が逃げにくくなり、スルーホールの開通が成功しやすくなります。

スッポンのノズルにもこの加工は有効です。


QFPの取り外し方

低温ハンダによりQFPを取り外します。

マゼンタ四角のQFPを取り外します。

ペーストを付けながら、リードを跨ぎたっぷりの低温ハンダをハンダ付けします。

(1)角と角に接する2つの辺の低温ハンダを1分程度(適量)温め、ピンセットでこじります。

(2)ピンセットでこじった対角の角と、角に接する2つの辺を同じように温めピンセットでこじります。

(1)と(2)を何回か繰り返すと、浮き上がったQFPのリードと基板の間に低温ハンダが入り込みQFPがズレてきます。
ここで、四辺の低温ハンダを満遍なく温めてピンセットでQFPを取ります。
QFPを取るタイミングは、四辺の低温ハンダ全部が溶けているときです。
低温ハンダが溶けているのは、ハンダコテのあて具合でわかります。

2019年9月3日火曜日

ICの取り外し方の研究(その三)

低温ハンダを使ってDIP型のICを取り外すときに問題となるのが、 開通しているスルーホールから溶けた低温ハンダが流れ出すことです。
溶けた低温ハンダは、100度以上の温度があるので、手などにかかったらやけどします。
安全のために、流れ落ちる低温ハンダを受け止めるダムが必要になります。
今回は、低温ハンダのダムとして粘土を使ってみます。
ダイソーの『のびーる ねんど』という商品を使ってみます。
マゼンタの四角のICを取り外します。
まず、スルーホールを開通させます。

薬指に適量載せて馴染ませてから、ハンダ面の開通しているスルーホール全部を隠すように覆い、貼り付けます。
後は、部品面で、低温ハンダでたっぷりとハンダ付けして、1分ほどハンダごてを満遍なくあててます。
ここで横からピンセットでこじると、簡単に外れます。
ハンダ面の粘土は、熱で少し硬くなるようで、簡単に剥がれます。
以前のアルミテープと同じくらいの手間でDIP型のICを外すことができました。
この方法は、部品面から低温ハンダを水平に保ちながら、はんだ付けするのが簡単にでき、半田面で低温ハンダのはんだ付けする方法と比べて、不用意に基板を傾けて、低温ハンダをこぼす心配が無く安全に作業できます。


2019年6月10日月曜日

ICの取り外し方の研究(その二)



低温ハンダで、IC(DIP)を取り外すときに問題なのが、溶かしたときに、水のように、あるいは、水銀のように、さらさらと流れ落ちることです。
前回は、アルミ箔で低温ハンダを受け止める方法を試しましたが、今回は、部品面で、低温ハンダをハンダ付けし、半田面でアルミテープを使って受け止める方法を試します。
部品面から、低温ハンダをはんだ付けするときは、シリコンシートを下に敷いて、密着させるようにすれば、ある程度目的が達成されますが、あえて、より安全の高い方法を試行します。
マゼンタの四角のICを取り外します。

全部のスルーホールを開通させます。
20x30mmほどにアルミテープをカットします。
角を指で弾いていると、離型紙が簡単に剥がれます。
出っ張っているICのリードを囲うように、アルミテープを貼り付けます。
これで、低温ハンダが下に滴り落ちることはありません。
部品面から、たっぷりの低温ハンダを、ハンダ付けします。
低温ハンダを、ハンダこてで満遍なく温めます。
しばらくして、ICをこじれば、簡単にICが外れます。

外した後の低温ハンダは、ハンダフィルターBできれいに吸い取ります。
低温ハンダの特性は、電子回路のハンダ付けには向きません。

また、前回の試行で、アルミ箔を使うのをアルミテープにしても良いでしょう。
しかし、低温ハンダをこぼさないように水平にしながら、裏にあるICをピンセットでこじらなければならず、少し難しい作業になります。


2019年6月9日日曜日

低温度ハンダの作り方

低温ハンダは、鉛フリーはんだではない、鉛50%,錫50%の組成に近い普通のハンダに、ビスマスを加えることで作ることができます。
ビスマスは無毒の金属で、ここで作る低温ハンダも鉛の毒性のみが取扱い上の注意となります。
この鉛50%,錫50%の組成に近い普通のハンダと、ビスマスを半々に混ぜて低温ハンダを作ります。
この低音ハンダの融点は、96度以上の水の沸騰するくらいの温度になります。
写真1
ビスマス・インゴットをニッパで齧って、欠片をハンダと同じくらいの量作ります。
写真2
ハンダこてで溶かして、よく混ぜ合わせます。
ここで、酸化皮膜,ゴミなどは片方に寄せて、ピンセットで排除します。
均一に混ぜ合わさることができたら、水銀のようなものになり、なかなか固体にはなりません。
写真3
棒状に成形した上、ドライヤーなどで風を送って冷やします。

ICの取り外し方の研究

低温ハンダを使って、IC(DIP)を取り外す研究です。
安全で確実な方法を探求します。
 マゼンタの四角のICを外します。

 全部のスルーホールを開通させます。
 60x35mmのアルミ箔を用意します。
 2つに折って、ICを覆うように被せます。
 IC保持治具で、アルミ箔ごとしっかりと挟みます。
 低温ハンダでハンダ付けします。
部品面のIC保持治具でICを引っ張りながら、低温ハンダを、ハンダこてで満遍なく温めます。
ICが浮いてきたら、低温ハンダをこぼさないように注意しながら、ICを外します。
 アルミ箔で、低温ハンダのダムとなって、低温ハンダが滴り落ちるのを止めます。
次の3つの効果があります。

  1. 低温ハンダが滞留するので使用量が軽減できる。
  2. 固着しているハンダと低温ハンダが混ざるのを促進する。
  3. 低温ハンダが垂れるのを防止し、安全に作業ができる。



低温ハンダでIC(DIP)が外れる



まず、ICにつながっている全てのスルーホールを開通させます。
次に、たっぷりの低温ハンダで、ハンダ付けします。

盛った低温ハンダを、ハンダこてで温めながらICをこじると簡単に外れます。

ICが外れる理由は、低温ハンダが開通しているスルーホールに流入して、リードとスルーホールに接触して、くっついているわずかのハンダに低温ハンダが混ざり、この部分の融点が低くなり、液体になりやすくなるので外れます。
したがって、低温ハンダではんだ付けする前に、ICにつながっている全てのスルーホールを開通させることが必要ですし、これがコツとなります。
ここで言う開通とは、スルーホールにICのリードが入ったまま、ハンダで塞がっておらず、空気の流入が可能の隙間があることを言います。

低温ハンダによるIC取り外し

2019年5月20日月曜日

二号機

かかと置きを追加しました。
これにより、かかとを置く場所ができ楽になりました。






2019年5月19日日曜日

一号機

足踏み式のハンダ吸い取り器です。
ハンダごてでハンダを溶かし、ハンダ吸い取り器のノズルをあててペダルを押し下げます。
吸引力も十分で、スルーホールの穴は簡単に開通します。
連続でハンダを吸い取ることができるので効率的です。
多ピンのICは無傷では取り除けません、スルーホールとリードに接触しているハンダが簡単に取り除くことができないためです。
修理用としてICのリードを切って取り除きます。